2026年3月現在、仮想通貨(暗号資産)の税制については非常に大きな転換点を迎えています。
2025年の税制改正大綱などでは、必要な法整備を前提に、暗号資産取引の課税見直しを進める方向性が示されました。市場では、将来的な申告分離課税(20.315%)への移行期待が高まっています。
ただ、暗号通貨が分離課税になると損をする人も意外と多いです。
今回は暗号通貨が分離課税になると得する人、損をする人をざっくりまとめていきます。
得をするか、損をするかは課税所得の税率帯
「ほぼ分岐点は所得税10%帯のあたり」と覚えるとかなりわかりやすいです。
所得税5%帯の人
今の総合課税のほうが軽いです。
5% × 1.021 で所得税部分は約5.105%、ここに住民税10%を足して約15.105%。
つまり、分離課税20.315%になると今より重くなる可能性が高いです。
所得税10%帯の人
かなり微妙です。
10% × 1.021 で約10.21%、住民税10%を足すと約20.21%。
分離課税20.315%とほぼ同水準なので、ほとんど差がないラインです。厳密には分離課税のほうがわずかに重い計算です。
所得税20%帯以上の人
分離課税のほうがかなり有利になりやすいです。
例えば20%帯なら、20% × 1.021 で約20.42%、住民税10%を足して約30.42%。
ここから先は23%帯、33%帯、40%帯、45%帯と上がるので、利益が大きい人ほど分離課税の恩恵が大きいです。
年収300万の独身でシミュレーション
会社員で年収300万円、独身、扶養なし、社会保険料は年45万円くらいという、かなり一般的な前提でシミュレーションします。
利益300万円
総合課税は約581,796円、分離課税は約609,450円。
この段階でも、まだ分離課税のほうが約2.8万円不利です。
利益400万円
総合課税は約885,996円、分離課税は約812,600円。
ここまで来ると、今度は分離課税のほうが約7.3万円有利になります。
なので、年収300万円の会社員という条件なら、かなりわかりやすく言うと、
年収300万円の会社員モデルでは、暗号資産の利益が100万〜200万円程度までなら、分離課税はほぼ不利です。300万円前後はまだ微妙で、利益が数百万円規模になってくると分離課税のメリットが見えやすくなります。
税率以外で「絶対的にお得」になるポイント
金額に関わらず、今回の改正で劇的に有利になるのが以下の2点です。
| 項目 | 現行制度(総合課税) | 新制度(分離課税・予定) |
| 損失の繰越控除 | 不可(その年で切り捨て) | 3年間の繰越が可能 |
| 損益通算 | 他の雑所得とのみ可 | 他の暗号資産、将来的にはFX等とも? |
特に「3年間の繰越控除」は、暴落した年の損失を翌年以降の利益から差し引けるようになるため、利益が数万〜数十万円程度の少額であっても、投資戦略上は圧倒的にお得になります。
分離課税で得する人、損する人まとめ
低所得層や、たまたま少額だけ利益が出た人には増税っぽく見えるケースがあります。逆に、トレーダーや含み益を大きく利確する人、会社員で本業収入が高い人にはかなり追い風です。
得しやすい人は「本業収入や他所得が高く、今の暗号資産利益に30%前後以上かかっている人」
損しやすい人は「課税所得が低く、今なら15%前後や20%前後で済んでいる人」
分離課税が必ずしも得になるわけではないということを理解しておきましょう。