私はこれまで、
木造、軽量鉄骨、RC造など、いくつかのタイプの集合住宅に住んできました。
その中で、
「これはさすがに我慢できない」
というレベルの騒音トラブルに悩まされたのは、いずれも3階建ての集合住宅に住んでいたときでした。
中には、
「RC造だから静かだと思って選んだのに、上下階の衝撃音が想像以上だった」
という経験もあります。
なぜ3階建ての集合住宅では、足音や物音といった衝撃音のトラブルが起きやすいのか。
構造や制度の観点から整理してみました。
なぜ3階建ての賃貸住宅が多いのか
まず前提として、
3階建ての集合住宅は非常に多く建てられています。
理由はシンプルで、
**賃貸住宅として「コストと収益性のバランスが良い」**からです。
- 土地を有効活用できる
- 高さ制限(軒高・建物高さ)ギリギリまで使える
- エレベーターが不要
- 建築コストを抑えやすい
特に都市部では、
「2階建てではもったいない、でも4階建てはコストが跳ね上がる」
そのちょうど中間が3階建てになります。
賃貸住宅ブランドとして知られる**シャーメゾン**でも、
3階建ての集合住宅は多く見られます。
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3階建ての構造上の弱点(音の視点)
3階建ての集合住宅が騒音問題に発展しやすい理由は、
「欠陥」ではなく構造的な性質にあります。
特に問題になりやすいのが、上下階の衝撃音です。
- 足音
- 子どもが走る音
- 物を落とす音
これらは空気を伝わる音ではなく、
**床や柱を揺らす「振動」**として建物に伝わります。
3階建ての建物は、
- 柱・梁・床が上下方向に連続している
- 建物全体が比較的軽い
- 振動が縦方向に逃げやすい
という特徴があり、
上階の衝撃がそのまま下階に伝わりやすい構造になりがちです。
RC造や重量鉄骨造であっても、
床スラブが薄めだったり、スパンが長かったりすると、
衝撃音は普通に響きます。
建物の構造によっては、
下の階の衝撃音が上に伝わることもあります。
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3階建ては規制が緩いのか?
「3階建ては規制が緩いから音が響くのでは?」
と感じる人も多いと思います。
この点については、半分正解で、半分誤解です。
- 耐震・安全面の基準が緩いわけではない
- ただし、音や振動に関する規制はほぼない
建築基準法は、
「倒れないこと」「命を守ること」が最優先です。
遮音性能や床衝撃音については、
最低限の基準すら設けられていないのが現実です。
3階建ては、
- 構造計算を簡略化できるケースがある
- コストを削る余地が残されている
結果として、
遮音・防振は後回しになりやすい階数だと言えます。
4階以上の建物との決定的な違い
4階以上の建物になると、
設計上の扱いが一段階変わります。
- 構造計算が原則必須
- 柱・梁・基礎が結果的に強化される
- 建物重量が増える
これは「静かにするため」ではありませんが、
結果として建物全体が鳴りにくくなる傾向があります。
もちろん、
4階以上だから必ず静か、というわけではありません。
ただし、
「ハズレ物件に当たる確率」は3階建てより下がる
と感じる人が多いのも事実です。
3階建てでも騒音トラブルを避けるチェックポイント
3階建て=必ず騒音トラブル、ではありません。
知識があれば、ある程度は回避できます。
二重床かどうか
軽い生活音には効果がありますが、
子どもの走行音や強い衝撃音には限界があります。
天井高
天井が低い物件ほど、
振動がダイレクトに伝わりやすい傾向があります。
配管位置
上階のトイレ・洗濯機・浴室が真上にあると、
構造伝播音が発生しやすくなります。
建物形状
- 間口が狭く奥に長い
- ワンフロアの戸数が少ない
こうした建物は、
振動が逃げにくいことがあります。
管理会社への聞き方
「音は静かですか?」ではなく、
「上下階の生活音でトラブルはありましたか?」
と聞くほうが、実態が見えやすいです。
家族構成まで教えてくれる管理会社は少ないですが、
生活音のトラブルについてはほぼ確実に回答してくれます。
結局は住人次第という現実
正直なところ、
騒音問題は「住人ガチャ」の要素も大きいです。
- 小さな子どもがいる
- かかとで強く歩く
- 深夜に洗濯・乾燥機を回す
こうした生活スタイルが上下階に重なると、
どんな構造でも問題が起きる可能性はあります。
私自身、
「建物が悪い」というより
「人間の使い方で限界を超えた」
と感じたケースもありました。
3階建ての建物に住む前に知っておきたいポイント
3階建ての集合住宅がすべて危険というわけではありません。
ただし、何も知らずに選ぶと失敗しやすいのは確かだと思います。